043 ファンクション・ジェネレータをコントロールする

今回から，ファンクション・ジェネレータの実機を，PyVISAパッケージを使って実際にコントロールする手順を数回に渡って紹介します．
ファンクション・ジェネレータとは，任意の波形データ（多くの波形データパターンが用意されています）を発生する測定機器です．いわゆる信号発生器ですね．

特定の測定機器となるので，固有のコマンドを使ってコントロールすることにもなります．
今回は，エヌエフ回路設計社製のファンクション・ジェネレータを使いました．エヌエフ社製以外のファンクション・ジェネレータをお使いの方は，紹介する事例がそのまま当てはまらないこともありますが，参考にして下さい（別にエヌエフ回路設計社から測定機器を提供されている訳ではないので，紹介するにあたって，特に忖度することはありません）．

測定機器毎に異なると思いますが，今回使ったファンクション・ジェネレータは，測定機器本体で，USBケーブル接続のための設定を行う必要があります（GPIBケーブル接続との切り替えでした）．各測定機器の接続方式の設定手順に関しては，説明書をご覧下さい．
また，多くの測定機器が該当すると思いますが，PyVISAパッケージを使って測定機器をコントロールすると，測定機器はリモート状態となり，一部のキーを除いて，測定機器本体のキー操作が無効になります．リモート状態解除の手順は，前もって説明書で確認しておくことを強くオススメします（でないと，軽くパニクることになります）．

最初に，PyVISAパッケージを使ってファンクション・ジェネレータを接続することになりますが，この時必要なVISAリソース名は，NI-VISAドライバーをインストールするとついてくる，NI MAXプログラムを使って簡単に調べることができます．
ファンクション・ジェネレータをUSBケーブルでPCに接続し，NI MAXプログラムを起動し，左側のツリー図から，
　「マイシステム」→「デバイスとインファーフェース」
で該当する測定機器を選択すると，右側のVISAリソース名の欄に，VISAリソース名が表示されます．

VISAリソース名は，測定機器固有のリシアル番号他を調べることで特定することもできます（今回は，測定機器本体でUSBケーブル接続に切り替えた際に，VISAリソース名が画面表示されました）．また，USBケーブル以外の接続では，今回紹介する手順とは異なります．今後，別の投稿でEtherケーブルを使った接続を，横河社製のオシロ（厳密にはスコープコーダ）の実機を使って紹介する予定です．

VISAリソース名が分かれば，PyVISAパッケージを使った下記のPythonスクリプトを実行して，測定機器のシリアル番号が正しく表示されるかどうか確認します．

今回は，USBケーブル接続までは何も問題ありませんでした．
次回の投稿では，PyVISAパッケージを使って，波形データのパターンの設定と取得する手順を紹介し，その次の投稿では，任意波形データの設定と取得する手順を紹介する予定です．