今回以降,PyVISAパッケージを使って横河社製のオシロの実機をコントールする手順を,数回に渡って紹介します.実機は,正しくはオシロ(オシロスコープ)ではなく,スコープコーダと呼ばれる製品です(オシロとスコープコーダの違いはここ)が,投稿ではオシロで統一します.
オシロとEtherケーブルで接続する手順は,前回の投稿で紹介しました.今後は,オシロに入力された波形データを,PCに転送するケースの紹介を行う予定です.しかしながら,今回使う横河社製のオシロは,少しばかり癖があるので,そちらの対応を最初に行います.
まず,PyVISAパッケージが用意するエラー報告機能last_status値は,エヌエフ社製ファンクション・ジェネレータのケースと同様に,上手く働きませんでしたので,横河社製測定機器に用意されている不具合検出用コマンド
:STATus:ERRor?
を用いて対処しました(エヌエフ回路設計社製不具合検出用コマンドと,コマンド名が微妙に異なりますが,戻り値の形式は,エラー番号とエラーメッセージで同じでした)
次に,このオシロは,query関数を使ってコマンドで問い合わせた場合に,応答メッセージに問合せメッセージ自体を含ませる/含ませないの設定があります(問合せメッセージ自体を,技術資料ではヘッダーと呼んでいる).
設定項目があるのは結構なのですが,どういう訳か,問合せメッセージを含ませる設定がデフォルトとなっています.
これは,例えば,オシロの操作モード(SCOP: スコープモード,REC: メモリーレコーダモード)を,":ACQ:SMOD?"コマンドを使って問い合わせると,
:ACQ:SMOD SCOP
という具合に,問合せメッセージ自体がヘッダーとして含まれた応答メッセージとなってしまいます.
上記のヘッダーを含めたままですと,実際に必要な操作モード(この場合は SCOP)を,応答メッセージの文字列から抽出する処理がひと手間増えますので,最初に,デフォルトの設定を変更することにしました(SCOPのみが応答メッセージとなる設定に変更しました).
長くなってきたので,オシロに入力された波形データをPCに転送する手順の紹介は,次の投稿からとします.
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自己紹介
- メジャーメントラボ
- C++やC#を使って数値解析プログラムの開発を長年行ってきました.
今は,Pythonを使った自動処理システムの開発をメインに行っています.
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