017 Pythonを使って動作検証用の測定データを作成する(その3)

2022/03/24

紹介/スクリプト

t f B! P L

前の投稿 015 Pythonを使って動作検証用の測定データを作成するで紹介したPythonスクリプトの説明を行います.

matplotlibパッケージのpyplotモジュールでグラフを描画するのは非常に簡単です.
x軸に時刻の数列ts,y軸に波形の値の数列ys(いずれもnumpy配列)を,pyplotモジュールのplot関数の引数として,さらに,show関数を実行すれば良いだけです.
    plt.plot(ts, ys)
    plt.show()

それだけではありません.
上記のPythonスクリプトを実行すると,グラフが描画された新しいウィンドウ(下図)が表示されますが,そのウィンドウは,グラフを描画するだけではなく,描画したグラフを処理するツールも備わっています.


画面上のアイコン(ツール)を押下することで,グラフのズーム,移動,座標軸の設定,色やマーカーの設定,画像を保存など,グラフに関する一通りの処理を行うことができます.

matplotlibパッケージは簡単にグラフが描画できるだけでなく,このツールを使って,例えば,グラフのある部分をズームし,ズームした領域を上下左右に移動させて波形を確認するなど,従来の表計算ソフトでグラフを描画した方法では得られない便利さもあります.

さらにすごいことがあります.
matplotlibパッケージには,膨大な種類のグラフを扱うことができます.matplotlibで扱うことのできるグラフの例をご覧になって下さい(左側のリストを押下するとグラフの詳細が分かります).
円グラフや株価チャートで見るグラフのみならず,コンター図や矢印の付いた流線のようなグラフまで描画できることが分かります(とても使いきれない種類の量です).

Pythonスクリプトが少し複雑になるのですが,複数のグラフを並べて描画することもできます.例えば,左側に波形グラフ,右側にFFTを使って得られたパワースペクトルのグラフを描画することも,matplotlibパッケージ(とnumpyパッケージ)を使って,僅かな行数のPythonスクリプトで作成できます(本ブログでは紹介しませんが).

このように,Pythonは,PyVISAパッケージを使って測定機器をコントロールするだけでなく,各種データを処理したり,データをグラフで視覚化したりするのも,非常に簡単にできることを感じてもらえればと思います.
(だからこそ,ノンプログラマーな人にも,Pythonに慣れ親しんで欲しいと思います)

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自己紹介

C++やC#を使って数値解析プログラムの開発を長年行ってきました.
今は,Pythonを使った自動処理システムの開発をメインに行っています.

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